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泌尿器学会発表
第96回 日本泌尿器科学会総会
会期:2008年4月25日(金)~27日(日) 会場:パシフィコ横浜
女性の過活動膀胱に対するソリフェナシンの使用成績
他の抗コリン薬無効例からの変更投与の有用性の検討も含めて
松下 全巳
松下泌尿器科医院
今回、その膀胱選択性から有害事象を軽減できる可能性の高いソリフェナシンを用いて過活動膀胱(OAB)への効果と安全性について検討した。
●試験方法
2006年6月~2008年2月にOABと診断した女性患者135例に、ソリフェナシン5mgを1日1回投与した。必要に応じて2.5~10mg/日の範囲で投与量の増減を行った。 このうち前治療ありが71例(平均年齢71.1±12.2歳)、前治療なしが64例(平均年齢67.2±16.8歳)であった。前治療薬の内訳は、プロビベリンが58例 (10mg/日47例、20mg/日11例)と多数を占めていた。効果判定までのソリフェナシンの平均投与量および投与期間は、前治療ありが4.9mg/日、31.2週で、前治療なしが 4.4mg/日、19.7週であった。
●まとめ
ソリフェナシンはOAB治療において、昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿失禁、すべてのOABの症状を改善した。また、ソリフェナシンには、新規のOAB患者のみならず、従来の抗 コリン薬では効果が不十分な症例においても優れた有効性と安全性を示し、患者満足度も高いことが示された。この高い患者満足度はソリフェナシンによる症状の改善と有害事象の 軽減によるものを推測される。今回の検討結果より、新規投与、変更投与を問わずソリフェナシンの有効性、安全性が示された。